インフォームドコンセント

 「インフォームドコンセント
 ちょっと前までは、よく聞いた言葉です。
 日本語でなら「十分な説明を受けた上での同意」と訳すのでしょうか?
 しかし、インフォームドコンセントって無理です。以前、医学部に進学した友人から「もっと新しい考え方が提唱されている」って事です。
 まず、インフォームドコンセントの前提条件って、「患者の教育水準が全体に向上している事」って思います。
 昨日、腎臓病(良性腎硬化症)で内科に行きました。
 過去の膨大な検査記録や最近の精密検査などのデータ。そして、腎臓専門医からの主治医や患者(私)へのアドバイス
 食事管理は全く問題無し。腎不全の原疾患から血圧コントロールが最重要課題なんですね。
 普通、薬を飲んで最高血圧が140mmHg、最低血圧が70mmHgって言えば若干高血圧程度まで下がったって言えます。でも、こと腎臓病なら最高血圧を120mmHg程度まで下げる必要があるんです。勿論、普段、高血圧(腎性高血圧)なのにここまで下げると、「しんどくて動けない」とか「脳梗塞などの危険性が生じる」って事です。でも、透析は遅らせたいから「血圧を薬で下げよう」ってなりました。
 さて、どの様な薬剤で血圧を下げるか?って問題に直面します。
 まず、医師は、心拍数を腕と胸の聴診器で調べて、「心拍数が少ないですね」って言うので、「そうですよ。徐脈ですので、心拍数を下げる作用もある降圧剤は使えませんよ。」すると、カルシウム拮抗剤で新しく使える物が限定されてくるんですね。
 主治医も悩むし、私は、レニン・アジオテンシン系に作用する薬剤で腎臓機能を下げて腎臓を休ませる事も兼ねて血圧を下げようって提案しました。勿論、危険基準などを知っているのは医師ですので、最後は医師の判断を仰ぐ事になります。
 今までは、ミカルディスって薬 http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2149042.html を1日に合計60mg処方されていたのですが、おそらく薬理的にはアンジオテンシンII受容体のアンタゴニスト http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%88 と思ったので、いわゆる競争阻害剤です。じゃ、飽和量を越えて投与しても無駄。むしろ副作用が出る危険性があるって思ったので、飽和量の確認をしてもらって、80mg/日まで薬を増やしてもらいました。勿論、これによって腎臓機能が落ちる訳ですから、血清中のクレアチニン上昇は覚悟です。でもとにかく2週間やってみて、「血液検査をしてクレアチンが2.8mg/dlなどに上昇していたら危険だし、そうならすぐに元通りに減らすよ」って事で処方箋の変更をしてもらいました。
 やっぱり、最終的な判断を下すのは医師でも、患者側がある程度薬の作用メカニズム(薬理学)などの素養(生理学・分子生物学無機化学・物理化学など)が無いと、インフォームドコンセントにはなりません。
 医師は臨床経験に関して患者に比べるも無く圧倒的に豊富です。でも、やっぱり「透析を遅らす」とか「延命する」とかの「生活の質」の問題になると、患者側の「そうありたい」ってのを意思表示して、方法や手段を提案してみるべきと思います。これには、患者側の教育水準の向上は必須ですよね。
 結局、大学院には行かせてもらえなかったけど、昔の知識が生活には役に立っているなぁって感じです。
 来年、京都工芸繊維大学の大学院の試験でも受けようか、、、まぁ、教官は必死になって私をブロックする様なアンフェアな問題を出すのは分かっているけど、、、。